生活・お金

【認知症】認知症の母が多額の投信を契約し、損失を出していた件

先日、日本経済新聞に以下のような記事が掲載されていました。

認知症患者、金融資産200兆円に マネー凍結リスク
高齢化の進展で認知症患者が保有する金融資産が増え続けている。2030年度には今の1.5倍の215兆円に達し、家計金融資産全体の1割を突破しそうだ。認知症になると資産活用の意思表示が難しくなり、お金が社会に回りにくくなる。国内総生産(GDP)の4割に相当するマネーが凍結状態になれば、日本経済の重荷になりかねない。お金の凍結を防ぐ知恵を官民で結集する必要がある。(後略)

この記事の内容は、認知症患者の資産が凍結されることによる、日本経済への影響に対する懸念です。

そのことを防ぐための制度などが検討されているようです。

たしかに、認知症患者の資産が凍結されるのは日本経済にとっては問題ですが、悪用されるケースも同時に増加しています。
国民生活センター等でも高齢者の増加につれ、金融商品に関するトラブルも増えているようです。

高齢者の金融商品に関するトラブルから親を守る

ハナ
ハナ
母は認知症の初期段階であるという診断を受けてから、父は、母が管理していた株や投信について段階的に解約していました。
しかし、ある日、解約したはずだった証券口座に新たに投信が設定されており、その投信が大きな損失を出していたのです。
父が確認したところ、母が証券会社からの投信勧誘電話を受け、電話口で新たな投信を設定することを承諾してしまっていたことがわかりました。
証券会社に解約後の資金を置いたままだったことが災いしました。
この件については、父が、証券会社に苦情を申し立てたのですが、認められず、損失を出しましたが解約しました。

認知症の初期段階は、日常生活はそれほど問題もなく、会話でも傍目にはわからないことも多いです。
「認知症である」ということを金融機関に知られると、口座が凍結されてしまうので、その前に、整理を進めていたのですが、母の例のように、金融機関に知らせないままでいると、投信などの勧誘が継続してしまうという問題もあります。

一番いいのは、親が元気なうちに、資産についての話をして、投信などについては方針を確認しておくことではないかと思います。

また、長年取引をしている金融機関がある場合で電話で取引ができてしまうような口座がある場合は、早めに資金を引き上げておくことも対策の一つになるかと思います。

高齢の親への資産についての話の切り出し方

実の親でも、財産についての話はなかなかしにくいことが多いのではないでしょうか。

私の場合は、以前新聞でみたこちらのノートを購入し、「こんなのが紹介されていたよ。みんな使っているみたい。私も自分用に購入して記録しているよ。もしよかったら見てみて」と言ってわたしました。

こちらのノートではまとめはいないのですが、このノートをきっかけに両親も口座や財産等の記録や整理が必要ではないかと考え始めたようです。

きっかけの一つとしておすすめです。

 

高齢者の投資信託に関するトラブル等について相談できる機関

父親から顛末を聞いて、慌てて相談したのがこちらです。
こちらでは、株や投資信託、FXなどの取引に関するトラブルについて、相談をすることができます。
”法律に基づく公的な団体が連携して設立した組織”で、金融庁や法務省から認定を受けています。

今回の母のケースは、契約が電話のやりとりのみで行われ書面へのサインもなかったことで、「適合性の原則」等、金融取引のルールからの逸脱も考えられたのですが、従来、同様のやり取りで取引をしてきたということもあり、相談と先方との調整のみであっせん手続きはしませんでした。

しかし、相談や調整に納得がいかない場合は、あっせん申立も行うことができます。自分で弁護士に相談するよりも安価で行うことができますので、まずはこちらに相談されるといいかと思います。

特定非営利活動法人 証券・金融商品あっせん相談センター(略称:FINMACフィンマック)